マイクロミキサ
細胞培養や薬品の反応実験をシャーレなどを用いて行うと,
薬品の組み合わせが増えると無駄になる薬品だけでなく広大な空間が必要となります.
そこでこうした実験環境を顕微鏡下で行うための装置の開発をしています.
本研究室で開発したマイクロミキサは主流路から枝分かれした小さなチャンバを囲うように別のチャンバを設け,
外側のチャンバに圧力振動を加えると主流路の液体が渦を作ってチャンバ内に流れ込みます.
囲み量や加振力を変えることで,チャンバ内の濃度コントロールを行う研究をしています.

<動画>異濃度生成マイクロミキサ(4.0MB)
側壁駆動マイクロポンプ
マイクロ流体デバイスでは通常内部の液体を外部に接続したシリンジポンプ等で流します.
これに対してポンプをデバイス内に組み込む研究が行われています.
その多くは流路を多層構造にするなど複雑な構造をしています.
本研究室で開発したマイクロポンプは,側壁駆動型のマイクロミキサと同様,
流路横に設けた駆動チャンバに圧力をかけることで,側壁を蠕動運動させて流れを作ります.
複数のポンプを組み合わせることで振動を抑制し,液体中の粒子の位置制御にも利用できます.
1層の構造で済むため安価になることが期待されます.

<動画>側壁駆動ポンプ(6.0MB)
<動画>側壁駆動ポンプによる粒子位置操作(3.9MB)
赤血球変形能2方向同時観察装置
赤血球の直径は6〜8μmありますが,それよりも狭い直径3〜6μmの毛細血管の中を変形しながら通過できます.
赤血球が固くなると血栓や高血圧の原因となると考えられ,逆に赤血球の変型能からその人の健康状態が評価できる可能性があります.
赤血球を狭い流路に通過する際の変型を顕微鏡で見る場合,これまでは上面からしか見えていませんでしたが,
立体的にどのように変形しているのかを観察するためには,複数の方向から同時に観察する装置が必要となります.
本研究ではこうした観察を可能とする顕微鏡及び流路の開発を行っています.
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