意地でもVisualStudioに取り込まれたくないBCC32c利用者向け情報
BCCはフリー/シェアウェアのエディタをつかうと圧倒的に軽快(エディタの起動が秒で終わる)なC開発環境なので,装置の制御やデータ処理等,飾り立てたてられたWindowによる表示が必要ない場合はお勧めします.またレジストリを汚さないので不要になったら展開したフォルダを削除すればよいだけなので,気分的にも良いです.
細かい話
コンパイラの基本的使い方はプログラムをXXXX.cpp等のファイルに保存し,コマンドプロンプト上で,bcc32.exe XXXX.cppと打ち込むと実行ファイルができます. ただし,通常コマンドプロンプトで何かを入力実行する場合,現在自分が表示しているフォルダ内のファイルしか指定できません. コンパイル用実行ファイルbcc32.exeが置いてあるフォルダ内に開発中のプログラムXXXX.cppを置くと,ファイルの整理がつかなくなって困ります. そこで一般的には,windowsのシステムの方で,コンパイル用実行ファイルbcc32.exeの置いてあるフォルダには何処のフォルダを開いているコマンドプロンプトから実行ファイルを入力してもアクセスができるように設定します.しかし,いくつかのフリーウェアやシェアウェアを用いるとこうした作業をせずに,そのソフトウェア内の設定ファイルでどこにコンパイル用実行ファイルbcc32.exeがあるか指定するだけで済み,不要になったらそのソフトウェアや設定ファイルをフォルダごと削除するだけで跡を残さず消し去れるのでお勧めします.

BCCはよく大学や高専の授業で使われていますが,その紹介ページのほとんどが古いBCC55となっています. しかしながら近年のwindowsの機能に対応しておらず,4Kカメラの取り込み等で能力不足ですので,最新のBCC102を推奨します. (ただしOpenCVに関してはそう簡単には使えないようです.)
そもそもBCC55はすでに非公開のためダウンロードはぁゃιぃサイトからする必要があり素人にはお勧めできません.

開発用エディタとしては様々な大学や高専の授業などでも使われているCPadを推奨しています.
ただし,このソフトウェアはBCCが昔のBCC55の頃に作られたソフトなため,指定するコンパイラがbcc32.exeを選ぶようになっています. 現在ダウンロード可能なBCCはbcc102で,コンパイラ名はbcc32c.exeになっています. CPadの環境設定時に無理やりこちらを指定すると「違います」とダイアログが出ますが,問題なく動きます.
また設定ファイル(XXXX.hやXXXX.libのファイルが置いてある場所の指定)も,bcc32c.exeであれば,bcc32c.exeと同じフォルダに入っているbcc32c.cfgに記されていて,コンパイル時に自動的に読み込まれるのでいちいち設定しなくても大丈夫です.
別にエディタはVisualStudioCODEでもいいですけど,せっかく軽い環境が作れるのにわざわざ肥大化した重いエディタを入れるのはどうかと思います.

制御機器の開発キットに入っているライブラリ(xxxx.lib)はたいていVC用に作られていて,BCCではそのまま使えません. この様な時はcoff2omf.exeを使ってBCCで使える形式に変換します.ファイル名はxxx_bcc.lib等にしたり,文字を全部大文字にするなどして元のファイルと混ざらないようにしておきましょう.物によってはオプションで-lib:msと指定する必要があることがあります.
当研究室のCONTECの機器,ハイスピードカメラCHU130のdllはこれで変換したlibファイルで動かせています.
coff2omf.exeはBCC55には入っていたのにBCC102には入っていないようです.これが必要な環境の人であれば周囲のだれかが持っているでしょう. 色々試してどうしても動かせない場合はあきらめてVC(VS?)を使いましょう.
その他注意事項
実行時→設定→実行タブでコンパイル時パラメータが指定できますが,main()で始まる基本的なコンソールプログラム(コマンドプロンプト画面で実行されるもの)の場合は特に指定なしで,winmain()ではじまるWindowsアプリケーションの場合は-W,マルチスレッドを使う場合はそれぞれMを追加して-M,-WMとしておけば大丈夫です.
追伸: Windows11だとCPadがプログラムを実行したときに開くコンソール画面を正しく終了させることができず,おそらくこれでメモリの開放に失敗しているようで,終了時に「XX回メモリーを開放し忘れています」とダイヤログが出てくるようになりました.気になる人はプログラムの互換性でXp3モードで実行するようにしておけば良いでしょう.
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以下顕微鏡用カメラ画像保存を行うサンプル等.プロジェクトファイルなど作らなくてもこれ位はできます.
当研究室ではこれらをもとに細胞培養環境制御と連動した撮影装置や流体内粒子の位置制御装置等の開発を行っています.
予算不足で外注できなかったり市販の撮影ソフトでは痒いところに手が届かなくて困っている研究でお悩みの研究室はご相談を.